相手ストライカーとの対峙。自分の土俵で戦った
「レベルの高い人たちと戦うのが好き」
大南はこう話している。FC東京はどのポジションを見ても日本代表クラスの選手がおり、実際に森保ジャパンに招集された選手もいる。助っ人も強力だ。そんな相手に対し、落ち着いた対応を見せた。
前半18分、自陣右サイド深くでディエゴ・オリヴェイラと一対一になるも、コースを限定。フェイントで撹乱してくるストライカーの動きに惑わされることなく行く手を阻んだ。37分には再びオリヴェイラとPA内で対峙した。鋭く切り返されたが食らいつき、足を出してボールをつついた。
「最後は切り返してくることが多いというスカウティングがあったので、そこで滑らずに付いて行こうと。しっかりできたんじゃないかなと思います」
スタッフからのアドバイスを頭に入れ、無闇に飛び込まず、自分の土俵で戦うことができた。また後半開始早々の48分、相手のクリアボールを頭で跳ね返す際、少し遅れ気味に突っ込んできたオリヴェイラに弾き飛ばされた。ファウルの笛が鳴るなか、大南はすぐさま立ち上がっている。弱さを見せず、何事もなかったかのようにプレーに戻ったこの姿勢に、彼がいかに集中してこの試合に臨んでいたかがわかる。
セットプレーの守備ではチャン・ヒョンスのマークを担当した。ポジション取りでパワーや駆け引きを体感。「すごく身体が強くて、ニアに走るスピードに付いて行けないシーンもあった」と悔しさも口にしたが、「もっと上手に駆け引きできるようになれれば」とも話している。ロシアワールドカップにも出場した元韓国代表とのマッチアップも、20歳にとって得がたい経験となった。
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