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香川真司 6年前

首位ドルトムントが絶対王者を「試す」。明らかになるバイエルンの真の現在地

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ペップだったら、ハインケスだったら…

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バイエルン・ミュンヘンのフランク・リベリ【写真:Getty Images】

 7日にホームでアテネに勝利したバイエルンだが、「この数週間」、残してきた成績は芳しくない。3日はSCフライブルクを相手に1-1のドロー。ホームで南ドイツの地方クラブを相手に引き分けで終わるのは、1997年の5月以来、およそ20年ぶりのことである。

 もちろんクリスティアン・シュトライヒ監督率いるチームの戦術レベルは高く、15年にフライブルクのホームでペップ・バイエルンに勝利したこともあるように、決して侮れる相手ではない。

 だが3日のフライブルク戦でのバイエルンは、対戦相手のクオリティ云々以前に、自分たちの方に問題があったのは明らかだった。攻守両面においてスムーズな連動性を欠き、リズムは悪く、テンポも上がらない。レナト・サンチェスは試合の中で適切なポジションを見つけられず、パスワークの遅滞を度々招いていた。アリエン・ロッベンは高い位置でボールを貰うことができず、ドリブルで仕掛けても効果的ではなかった。

 今季からニコ・コバチ政権が発足したばかりで、選手を入れ替えながら過密日程をこなしてく中、まだ“最適解”に辿り着けていないのか。それとも“ロベリー”を筆頭に老練な百戦錬磨の選手たちは、クロアチア人指揮官の手に負えないのか。いずれにせよ現在のバイエルンが、ユップ・ハイケンスやペップ・グアルディオラが率いたチームに比べれば、脇が甘いのは事実だ。 

 フライブルク戦では、80分にようやくセルジュ・ニャブリの単独突破で先制しながら、89分、左サイドからのアーリークロスをすんなり通して同点に追い付かれている。その4日前に行われたDFBポカールの2回戦では、4部所属のローディングハウゼンを相手に前半の早い段階で2-0のリードを奪いながら、49分に右サイドで突破を許して1点を返され、2-1のスコアで次のラウンドに駒を進めている。たかが1失点かもしれない。だが、仮にこの試合で指揮を執ったのがハインケスであれば、激昂して4部チーム相手の安易な失点を決して許さなかっただろう。そして続くフライブルク戦できっちり勝っていたはずだ。 

 同様に10月27日に行われたマインツ戦でも、48分に右サイドからのシンプルなクロスで同点に追い付かれ、バイエルンは隙を見せ続けている。代表ウィークが明けてなお、9月の下旬から10月の上旬にかけて4戦未勝利だった時期の不調を引きずっているようだ。

 もちろんコバチ監督もこうした失点癖に対して、何もせず傍観しているわけではないだろう。ドルトムント戦の直前、アテネ戦は2-0でシャットアウト。だが、およそブンデスリーガのレベルに達しているとは言い難い相手に、ホームというぬるま湯に浸かっての無失点勝利は、やはり当然と言えるだろう。

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