「勇気を持って」プレーしたインテル
後半に入っても、試合展開に大きな違いはなかった。相変わらずバルセロナがボールを支配し、インテルは辛抱強く守ったのである。
徐々にホームチームも攻める場面が増えてはいたが、フィニッシュまで繋げることができない。何とか一点を、というインテルは63分にラジャ・ナインゴランを下げ、ボルハ・バレロを投入。中盤の位置で、よりスムーズにボールを回すための交代だった。
ただ、この交代も功を奏さず。バルセロナに攻められてはシュートを浴び、攻められてはシュートを浴びの繰り返しになっていた。インテルは、いつ失点してもおかしくはない状況。そして、試合が動いたのは終盤だった。
83分、ウスマンヌ・デンベレに代わってピッチに立ったマルコムが、右サイドからボールを持ちこみ左足を振り抜く。これが見事ゴールネットに突き刺さり、バルセロナが待望の先制ゴールを奪取した。マルコムはこれが移籍後初ゴールとなっている。
「チームはいくつもの間違いを犯したが、勇気があった」。イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると試合後、ルチアーノ・スパレッティ監督はこのようにコメントしたという。その言葉通り、インテルは失点を喫した直後も、「勇気を持って」プレーした。
そして失点からわずか4分後のことだった。右サイドのラウタロ・マルティネスがクロスを上げると、ボールはマティアス・ベシーノの下へ。同選手はシュートを放つも、これが相手選手に当たり、そのままマウロ・イカルディの下へこぼれた。エースはDFに囲まれながらもボールをキープし、反転してシュート。これがマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの股の下を通り、ゴールネットを揺らした。
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