完敗でも自信は揺らがず
マリオ・ゲッツェは「僕らが65分に1-1にしていたら、おそらく試合は異なるものになっていただろう」と振り返ったように、この瞬間がアトレティコを相手に作った唯一の決定機だった。74分にゲッツェがアルカセルとの交代で投入されたが、やはり効果的なプレーを見せることはできない。4-0で勝利したホームでの試合が幻だったかのように、ドルトムントは、引き締まった守備ブロックをこじ開けることができなかった。
80分にカウンターからアントワーヌ・グリーズマンにゴールを許して、0-2で敗戦。シメオネ監督は「私たちがチームとしてプレーしたから私は幸せだ」と振り返り、グリーズマンは「チームは信じらないくらい力を注いだ」と語った。怪我人の続出が、結束を強めたのだろうか。欧州最強の盾は健在だった。
0-2のスコアで完敗だったが、今季これまでルシアン・ファブレ体制で築き上げてきたものが、直ちに崩壊することはないだろう。ホーム&アウェイで考えれば、1勝1敗の痛み分け。アトレティコと伍して渡り合った事実は、何よりの手応えとなったはずだ。今回の試合で敗れはしたが、自信を持って、今週末に控えているブンデスリーガ第11節、バイエルン・ミュンヘンとの頂上決戦に挑むことができるはずだ。
(文:本田千尋)
【了】