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Jリーグ 6年前

神戸はバルサ化できるか――その問い自体が間違い。まず持つべき「我々の生き方」という信念【西部の目】

ヴィッセル神戸はバルセロナになれるのか。アンドレス・イニエスタを獲得し、“奇才”ファン・マヌエル・リージョ監督も招聘した。異次元を知る彼らを呼び寄せたところに神戸の本気度が感じられるが、『バルサ化』は簡単に実現できるものではない。模倣するだけでは、本物にはなれない。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

提携先を間違えた?

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アンドレス・イニエスタ【写真:Getty Images】

 もしかすると、ヴィッセル神戸は提携する相手を間違えたかもしれない。

 FCバルセロナとの提携は、楽天にとってこれ以上の正解はないのだと思う。ただ、神戸の「バルセロナ化」は茨の道といっていい。例えば、リバプールやライプツィヒと提携して彼らのスタイルを採り入れたほうが、サッカーに関していえば短期的な効果は大きかったのではないか。

 バルセロナを模倣するには時間も金もかかる。金に糸目はつけないということであれば、フィジカル能力に優れた戦力をかき集めて「リバプール化」や「ライプツィヒ化」をやったほうが短期的な成果は上げやすい。技術に優れたスターよりも、フィジカルモンスターのほうがヨーロッパの市場価格は安い。アンドレス・イニエスタ1人分の費用で、ライプツィヒの選手なら5人ぐらい買えるはずなのだ。

 ルヴァンカップ決勝では、マンチェスター・シティのメソッドを採り入れている横浜F・マリノスを、和製ライプツィヒともいうべき湘南ベルマーレが破っている。シティのスタイルはバルセロナとほぼ同じ。効果が出るまでに時間がかかっているのは横浜FMを見てもわかる。ようやく多少効果が出始めたとはいえ、湘南の走力の前に圧倒的な優位性を示すことはできなかった。

 神戸が提携先からノウハウを採り入れ、潤沢な資金で強烈なフィジカル能力の選手を複数補強して、湘南の強化バージョンを作り上げていれば、今ごろはJ1で旋風を巻き起こしていたかもしれない。

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