元イングランド代表のウェイン・ルーニー【写真:Getty Images】
MLS(メジャーリーグサッカー)のDCユナイテッドに所属するFWウェイン・ルーニーは、「引退試合」として1試合のみのイングランド代表復帰を果たすことになった。だがこの決定に対しては反対意見も相次いでいる。
イングランド代表のエースとして長年活躍し、同国歴代2位の119試合に出場して歴代最多の53ゴールを記録したルーニー。だが2017年以降は代表から外れるようになり、同年8月に代表引退を表明した。
しかし、今月15日にロンドンの“聖地”ウェンブリー・スタジアムで行われるアメリカ代表との国際親善試合で再びイングランド代表のユニフォームを着る見通しになった。チャリティー目的を兼ねたこの試合にルーニーを招集することをイングランドサッカー協会(FA)が認めている。
イングランドのファンにとっては、レジェンド級の実績を残した元代表エースに最後の別れを告げる機会となりそうだ。だが貴重な強化の機会でもある国際Aマッチデーの試合に、本来のチームの構想からは外れている選手を呼ぶことには反対の声も上がっている。
英メディア『BBC』のフィル・マクナルティ氏はルーニーの招集について「行き過ぎた迎合であり、代表キャップの名誉の価値を下げるものではないかという議論がある」と述べている。『デイリー・メール』のマーティン・サムエル氏は「ルーニーのキャップ数は119試合+チャリティー1試合と数えるべき」と主張した。
ルーニーを上回る125キャップのイングランド最多記録を持つピーター・シルトン氏も、「理解に苦しむ決定。単にキャップを与えるのは完全な間違いであり、若い選手のチャンスを阻むことにもなる」と『ミラー』に反対意見を述べている。
一方で、ルーニーの実績や貢献度を考慮すれば歓迎すべきことだという見方もある。『スカイ・スポーツ』は「最多ゴールを記録した選手にふさわしい別れを言う機会がなかった」「ルーニーにはその資格がある。彼の貢献を見過ごしてはならない」とジャーナリストによる賛成意見も伝えている。
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