変動しているリーグアンの立ち位置
ちなみにこのメルカートでは、PSGにユリアン・ドラクスラー(ウォルフスブルク)、リヨンにメンフィス・デパイ(マンチェスター・ユナイテッド)、マルセイユには元フランス代表キャプテンのパトリス・エブラ(ユベントス)とディミトリ・パイエ(ウェストハム)が参入している。
昨夏はPSGがネイマール一人に2億2200万ユーロを支払ったりしているので、単純に金額の収支だけがトレンドを示唆するものではないが、PSGが筆頭となって成績、イメージともにリーグアンを対外的にアピールすることで、流れは少し変わってきている。
ただ、リーグアンでトップクラスに達した選手がイングランドやスペインを目指す風潮は、変わりそうにない。実際デパイも、マンチェスター・ユナイテッドで出番が得られずにリヨンに来たが、ここで活躍してプレミアリーグへのUターンを狙っている。
リーグアンが世界のトップを目指す選手が集まるリーグになるまでは、去っていく選手の流れは止まらないだろう。けれど流入してくる方の矢印は少しずつ太くなってきて、やがては出入りがイーブンになる、そんな予兆はある。
(文:小川由紀子【フランス】)
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