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Jリーグ 6年前

J2のピルロ? 山口・三幸秀稔、J1の名手に比肩する能力。浪人も経験・・・その数奇なキャリア【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

霜田正浩監督と三幸は一蓮托生

「彼のミスは私のミスです」

 山口の霜田正浩監督は三幸についてそう話していた。

「今日の戸田にミスはない」

 清水エスパルスを率いていたズドラヴコ・ゼムノビッチ監督が戸田和幸をDFからMFにコンバートした最初の試合、霜田監督と同じことを言っている。監督の判断で起用しているのだから選手にミスがあっても自分の責任だと。監督がそこまで1人の選手を庇うのは、その起用がリスキーだと監督自身が承知しているからだ。リスク承知でやっている、だからもし失敗しても選手のせいではない。

 つまり、監督は腹をくくっていて、その選手がチームにもたらすであろうことに首をかけている。霜田監督はチーム3年目の三幸をキャプテンまで任せた。本人は「キャプテンの器ではない」と言うが、こうなれば腹をくくるしかない。

「よく鬱病にならなかったと思います」(三幸)

 J3の相模原を退団し、「J3ではやらない」と決めてトライアウトに参加したが、契約は決まらなかった。JFAアカデミーで中高年代を過ごしたのだから、三幸はいわばエリート中のエリートである。それなのにトライアウトでも引っ掛からない。

「そのへんは何とも言えませんが、僕もプロになったときはイケイケだったので(笑)」

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