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U-19日本、W杯かけた大一番は「メッシvsメッシ」!? 現地メディアも久保建英に大注目

text by 編集部 photo by Getty Images

久保建英
久保建英の一挙手一投足にインドネシアメディアも熱視線を送っていた【写真:舩木渉】

 U-19日本代表は28日、来年ポーランドで開催されるU-20ワールドカップ出場権をかけた大一番に挑む。

 AFC U-19選手権の準々決勝、対戦相手は地元インドネシアだ。そしてこの一戦は、現地で「メッシvsメッシ」として注目を集めている。

 日本のメッシは、やはり久保建英。バルセロナの下部組織に在籍経験があるということもあって、久保の人気はインドネシアでも凄まじいものがある。連日U-19日本代表の取材に訪れるインドネシアメディアも同選手の一挙手一投足に注目していた。

 インドネシアのメッシとして脚光を浴びるのは、U-19代表で10番を背負うエジー・マウラナ・ヴィクリ。今大会に参戦しているメンバーの中で唯一の海外組で、今夏からポーランドのレヒア・グダニスクに所属して、そこでも10番を任されている逸材だ。

 すでにA代表でも3試合に出場し、18歳にしてインドネシアの将来を背負っていくと期待されるスター候補である。「メッシ」と呼ばれるだけあり、身長163cmと小柄で左利きのアタッカーは日本戦でもキーマンになるだろう。

 ただ、あるインドネシアメディアの記者は、「エジーも素晴らしい才能を持っている選手だけど、自分が見る限りでは現時点で久保の方が上だと思う。インドネシアでもすごく人気があるし、今大会の彼のプレーには驚かされるばかり」と分析していた。

 そんな2人の直接対決ということもあり、27日の公式記者会見では日本とインドネシア両チームの監督にそれぞれの「メッシ」についての質問が飛んだ。

 日本の影山監督はエジーについて「彼は非常に高いクオリティの左足を持っていて、俊敏性やスピード、キックの質にも優れています。ただ、彼は対戦相手の中の1人にすぎません」と語り、あくまでチーム全体のパフォーマンスに目を向けることを強調していた。

 一方のインドネシアを率いるインドラ・シャフリ監督も、「サッカーには11人の選手が必要で、1人の選手が違いを作るとは思っていません」と久保個人へのこだわりを否定した。2人の監督は、あくまで個人ではなくチームに目を向けている。

 久保本人も、グループリーグ最終戦の後に「インドネシアのメッシについてどう思うか?」と、現地メディアの記者から問われていた。そこで久保は「僕は彼のことをあまり知りませんが、チームのみんなは3月にインドネシアに来て一度試合をしています。彼のことは素晴らしい選手だと聞いていますし、僕たちも気をつけなければいけない」と冷静に語った。

 こうして見ると「メッシ対決」に注目しているのはメディアだけのように思えてくるが、両国にとって久保とエジーがU-20ワールドカップ出場権を争う大一番において、キーマンになるのは間違いない。日本とインドネシアの将来を背負っていくであろう2人のパフォーマンスから目が離せない。キックオフは日本時間の28日21時半の予定となっている。

(取材・文:舩木渉【インドネシア】)

【了】

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