ギラつくFWたち。今こそ真の力を
昨年すでにU-20ワールドカップを経験している田川は、「お互いがよく見れているし、チームのために独りよがりにならずプレーできている」と初ゴールを決めたイラク戦の後に攻撃陣の連係に手応えを感じているようだった。
「昨年は本当に(上の世代に)ついていくというのがあったので、責任感も全然なかった。今回はそういう責任感を感じているし、それをポジティブに、いい方向に持っていければいい」と大会初戦を前にして語り、どこか気負いすぎて固くなっていた印象のあったエースストライカーは、メンタル的にもリフレッシュして大一番に臨む。
宮代はゴールへの探求をやめない。大観衆を「黙らせるくらいの気持ちで」と燃えたぎる闘志を口にし、「U-17ワールドカップではイングランドに負けて衝撃を受けましたし、すごく悔しい思いをしている。その時にまたこの舞台(U-20ワールドカップ)に立ちたいという思いが強かったので、そこを取れるチャンスがここにある。(世界には)行ったら絶対に得るものが多くある。それは行かないとわからない」と、世界の舞台への欲を前面に押し出していた。
ゴール以外にも随所に輝きを放っている久保も、「明日はもう本当に結果だけが求められると思うのでどんな内容であったとしてもしっかり勝ち残る」と力強い決意を語った。インドネシア戦は誰が先発を任されるかわからない。イラク戦で2ゴールの原も黙っていないだろうし、3試合連続ゴールで絶好調で「年齢は関係ない」と豪語する17歳の斉藤もいる。
影山監督は「満員のスタジアムでチームの力を爆発させられるようにしたい」と意気込んでいた。まさに勝利のために必要なのはアタッカー陣の“爆発”。これまでと変わらぬ勢いでゴールネットを揺らし続け、6万人超えの大観衆を静まりかえらせる…その快感をピッチ上で味わうことができれば最高の結果もついてくる。
(取材・文:舩木渉【インドネシア】)
【了】