真っ赤な完全アウェイのスタジアムで
いよいよ決戦の日がやってきた。2大会連続となるU-20ワールドカップ出場をかけ、U-19日本代表がAFC U-19選手権の準々決勝に挑む。
相手はインドネシア。開催国でもあり、会場となるゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムは6万5000人の大観衆で埋め尽くされるとみられている。日本にとっては「完全アウェイ」と言える状況だ。
今年3月、U-19日本代表は同じスタジアムで、今回の相手と同じU-19インドネシア代表と親善試合を行い4-1で勝利を収めていた。まさに今大会のシミュレーションのために組まれた機会だっただけに、影山雅永監督は世界をかけた舞台での再会を運命的なものを捉えている。
「これは面白いものでね。3月の試合でインドネシアとやるときに、『僕らはシミュレーションとして開催地のインドネシアに来ている。このインドネシアとのトレーニングマッチは、雨の中でやることも含めて、準々決勝の本当のシミュレーションになるかもしれない。これは準々決勝だ。(U-20ワールドカップ)出場権をかけた試合としてやるからね』という話を選手たちにしていた。それがまさか、出場権をかけて、インドネシアとやることになろうとは…あのときから決まっていたのかも知れないですね」
もちろん大観衆の声援に背中を押されてプレーするインドネシアに対し、前回と同じ戦いはできないだろう。それでも「非常にスピードがあって、個々のテクニックが高い。さらにこの大会を戦う中で、諦めない、最後まで戦うといった力を身につけてきている」と特徴を把握できているのは大きい。
今大会のU-19日本代表には、3月のインドネシア戦に出場していたメンバーも多くおり、相手選手とのマッチアップを体感している経験もプラスに働くだろう。あるインドネシアメディアの記者は、前回対戦時に完敗を喫したこともあって「日本は恐ろしい…インドネシアにとって圧倒的なホームでも勝つのが困難なのは間違いない」と話していた。
グループリーグでは、カタールに1-6という大量リードを奪われた状況から4点を奪って5-6まで追い詰め、UAE戦は1人少ない状態で1-0の勝利をもぎ取った。そうやって自信をつけてきていても、インドネシアの選手たちが半年前の対戦で日本に対し抱いたマイナスの感情を完全に払拭することはできないだろう。