ディレイニー不在時のオプションは?
ヘルタでは、オンドレイ・ドゥダがトップ下で目覚ましい活躍を見せている。10番を背負うスロバキア代表は、レギア・ワルシャワから移籍加入して3季目で覚醒したようだ。これまでブンデスリーガ8試合で6ゴールを決めている。バイエルン相手にも決勝点を叩き出した。土曜日の試合では、ドゥダに自由を与えないことは必須。中盤の守備の強度は落としたくないところだ。よってファブレ監督は、ディレイニーの状態を気にかけるのだろう。
もしディレイニーが間に合わなければ、香川真司がメンバー入りするチャンスかもしれない。もちろんデンマーク代表MFと、香川のポジションは同じではない。だが、アトレティコ戦でメンバー外になった選手たちの中で、ディレイニーに代わる守備的MFは見当たらない。セバスチャン・ローデは完全に構想外のようだ。再びマリウス・ヴォルフがメンバー入りする可能性もあるので、確実ではない。しかしアトレティコ戦のようにゲッツェをFWのポジションで起用し、同試合でディレイニーに代えたマハムート・ダフートを先発から使おうとすれば、ベンチには攻撃的MFを1枚は置いておくのではないか。
対トップ下を置かない[4-4-2]と、対トップ下のいる[4-2-3-1]では、やはり中盤の主導権争いで「違う試合」になる。特に敵の10番が好調なのであれば、アトレティコ戦を戦った選手たちの回復具合によっては、思わぬ苦戦を強いられることになるかもしれない。コンディション面で言えば、香川はフレッシュな状態でプレーできるはず。チャンスが巡ってきたら、覚醒したドゥダのように、決定的な仕事を果たしたいところだ。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
【了】