U-19日本代表のMF安部裕葵は所属する鹿島アントラーズのACL決勝進出を喜んでいた【写真:Getty Images】
U-19日本代表は26日、インドネシアの首都ジャカルタ市内で練習を行った。
28日にはU-20ワールドカップ出場権獲得をかけたAFC U-19選手権の準々決勝・インドネシア戦が控える。だが日本は25日にグループリーグ最終戦のイラク戦を終えたばかりのため、その試合に出場しなかったメンバーを中心に10人で調整した。
イラク戦で出番のなかったMF安部裕葵も軽快な動きを披露。練習後の取材時にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝進出を決めた、所属クラブでもある鹿島アントラーズの話題になった。
安部はアウェイの韓国で行われた準々決勝2ndレグも宿舎で見ており、「苦しい展開でこのまま終わらないだろうなという雰囲気は出ていました。あれだけ逆転されても3-3まで持っていけて、3失点は良くないですけど、決勝に行けるだけの力があるチームというのは間違いない。自分もそのチームの一員ということは自覚していますし、先輩方はチームメイトとして誇らしい存在です」と鹿島のACL決勝進出を祝福した。
ホームでの1stレグを劇的な逆転勝ちで制していた鹿島は、アウェイに乗り込んだ2ndレグでも先行するが、後半に水原三星ブルーウィングスの猛反撃にあって2戦合計スコアで5-5に追いつかれてしまう。だが、終盤にセルジーニョのゴールで再び2戦合計スコアで上回り、なんとかクラブ史上初のACL決勝進出を掴み取った。
アジア王座をかけた決勝の1stレグは鹿島のホームで11月3日に行われ、敵地イランでの2ndレグは11月10日に予定されている。もしU-19日本代表がAFC U-19選手権で勝ち進むと決勝は11月4日のため、クラブの重要な試合に間に合わない。
ただ、鹿島では安部も貴重な戦力の1人。AFC U-19選手権では過去にもクラブ事情で代表チームを途中離脱した例があり、今大会で日本の10番を背負う安部も、準々決勝でインドネシアに勝利してU-20ワールドカップ出場を確定させた段階でチームを離れて鹿島に戻ればACL決勝に間に合わせることができる。
だが、安部は「(代表とクラブのどちらを選ぶかは)難しいですけど、個人的な感情は出すべきじゃないと思うので。(感情が)あったとしても出さないですし、与えられた環境でやることが素晴らしいサッカー選手。自分のステージで輝くべきだと思っています」と述べ、U-19代表でのアジア制覇に集中する考えを示した。
U-19日本代表は27日もジャカルタ市内で調整し、28日にU-20ワールドカップ出場権をかけたU-19インドネシア代表との決戦に挑む。
(取材・文:舩木渉【インドネシア】)
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