「本田のプロ意識は他選手の模範になるはず」
森保一監督率いる日本代表復帰は一切考えず、2020年東京五輪だけを見据えて突き進む意思を鮮明にした本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)。その彼は目下、新天地で自身を研ぎ澄ませることだけに集中している。
メルボルンVの練習場は、ホームスタジアムの1つであるAAMIパークの隣にある「ゴシュ・パドック」という芝生広場だ。AAMIパークは2015年アジアカップ・ヨルダン戦(2-0で勝利)の会場で、本田も先制弾を叩き出している縁起のいい場所でもある。ただ、隣の練習場は柵も何もない、だだっ広い広場だ。
名古屋グランパスとVVVフェンロ時代のトレーニング施設はファンが見学可能ではあったものの、CSKAモスクワ、ACミラン、パチューカの3クラブはクローズな環境。報道陣でも中に入るのは容易ではなかった。
その本田がオーストラリアでは連日、衆人環視の中、トレーニングを実施し、ファンサービスも行うことになった。当初は戸惑いもあっただろう。が、新天地生活も3カ月目に突入した今は「この環境に慣れた? まあぼちぼちですね」と本人も余裕を感じさせていた。
20日のメルボルン・シティとのダービーマッチの後、メルボルンVは今週末28日のグローリー・パースとのホームゲームに向け、22日から再始動している。22日は各々リカバリーに努めたが、本田は業務提携した帝京大学から派遣されたトレーナーと2人で外に出て、ゴシュ・パドックとは反対側にあるオリンピックパークで30分ほどランニングやストレッチを消化した。
他の先発組はジムやプールなど室内練習のみだったのに、本田だけはしっかりと日の光を浴びて体を動かした。それはコンディション維持に対する意識が高い証拠。地元紙「ヘラルド・サン」で7年間、メルボルンVの担当をしているデイビッド・ダビュトビッチ記者は「本田のプロ意識は他選手の模範になるはず」と太鼓判を押した。