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日本代表 6年前

U-19日本、「飢え」を刺激する影山雅永監督の流儀。全員で世界への切符を勝ち取るために

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Wataru Funaki

監督自らクロスを蹴った狙いとは

菅原由勢
菅原由勢は23日の練習で楽しそうに鋭いヘディングシュートを連発していた【写真:舩木渉】

 前夜の試合に先発したメンバーと、後半の頭から途中出場した山田を除く11人で行われた練習の中盤、シンプルなクロスに合わせるシュート練習が取り入れられた。そこでは影山監督が自らボール出しを担い、右サイドから矢継ぎ早にクロスを蹴っていく。

 ゴールを決めた選手にも、シュートを外した選手にも積極的に声をかけて、汗だくになりながら雰囲気を盛り上げていく指揮官。「やっぱりシュートを決めるところ。選手にとっては、DFであろうとも決めた後の爽快感も大事」と、モチベーションを掻き立てる狙いがあった。

 選手たちも影山監督の狙い通り、だんだんテンションが上がったか、DF菅原由勢などはFW顔負けの勢いでボールに突っ込んでいき、時に久保建英が冗談を言って笑いを誘う場面もあった。未だ出場機会のない荻原も、シュート1本1本に魂を込めているようで、「俺を出せ」というギラギラしたものを感じさせた。

 2連勝したことで、誰に話を聞いても「チームの雰囲気はすごくいいですよ」と明るい表情が見られる。もちろんイラク戦で勝利していい流れを継続することも重要だが、U-20ワールドカップ出場権がかかる準々決勝に集中できる状況になったことも、ポジティブな雰囲気を後押ししている。

「準々決勝が大事だとは言いながら、ピッチの上にスタートから立てるのは11人だけですからね。だけど、それ以外の12人が関係ないかというと、ものすごく関係があって、サブとしての役割もそうだし、このチームとして23人とスタッフ全員で世界の切符を勝ち取ろうぜという、一体感が大事になってくる」

 そう指揮官が語るように、上向きの状態を維持したままチーム全員が一体となることが、世界への挑戦権をかけた戦いで勝敗を左右する要素になる可能性は十分にある。

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