「A代表に入らなくても、五輪代表には行けるでしょ」
本田がそんなライバルたちに打ち勝って狭き門を突破しようと思うなら、どこかのタイミングでA代表に復帰する必要があるのではないか。東京五輪までの2年間、A代表に一度も来ない選手をいきなりオーバーエイジ枠で起用するほど、森保監督は大胆なタイプではない。トルシエ方式で融合や継続性を重視していくと見られる。
しかし、本田を23日にメルボルンで直撃すると「A代表に戻る気持ち? 行くつもりはないですね」と断言した。「呼ばれたらどうするのか?」という問いにも「呼ばれないと思います。行くつもりがないんで」と一蹴。森保監督が2つのチームを兼務していることを分かったうえで、「A代表に入らなくても、五輪代表には行けるでしょ」とキッパリ言い切ったのだ。
確かにA代表と五輪代表監督が別だった2012年のロンドン五輪や2016年のリオデジャネイロ五輪は、本大会直前に関塚隆監督や手倉森誠監督がオーバーエイジ選手を急きょ招集する形を取ったが、今回は状況が違う。それだけ一発逆転は難しい。その現実を理解したうえで、本田は東京五輪だけを見据えている。そんな潔さを感じさせた。
今、彼はカンボジア代表の事実上の監督を務めていて、そういう立場の人間が再び日の丸を背負っていいのかどうかという疑問も残る。「コンプライアンス上の問題があるのではないか」と見る向きもあるため、そこは日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長と話し合いを重ねていくべきテーマだ。
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