“裏天王山”は痛み分け。鳥栖は新監督の初陣を勝利
第30節最後のゲームは、試合開始時点で18位と17位の対決。V・ファーレン長崎がホームにジュビロ磐田を迎えた。
今季のJ1残留争いが大激戦となっている一因に、長崎の健闘が挙げられるだろう。J1初挑戦ながら勝ち点を積み重ね、自力での残留もまだ手の届くところにある。相手を分析し、弱点を突こうとしている。
ただし、今節に関してはプレー精度の低さが足を引っ張った。前半にGKとの一対一を迎え、後半も相手ゴールに迫るなど得点のチャンス自体は長崎の方が作っている。だが、結局1点も奪えなかった。直接対決で勝ち点3を取れず、差を縮めることができなかった。それでも、まだ希望を捨てるには早い。今後の巻き返しが期待される。
心配なのは磐田も同じ。昨シーズン6位という成績を残したが、今季は大量失点を喫するなど戦いが安定しない。長崎戦はシステムを[4-2-3-1]とし、2列目に入った山田大記と松浦拓弥が奮闘したが、ビッグチャンスは作れず。とはいえ。第23節・柏戦以来の無失点は収穫。セットプレーからの得点が減り、カウンターの威力も鳴りを潜めている現状を考えれば、しぶとく勝ち点を拾っていくことが求められる。失点ゼロで終えたことをポジティブに捉えたいところだ。
サガン鳥栖はベガルタ仙台と対戦し、3-2で勝利。貴重な勝ち点3を手にしている。この試合の前に指揮官がマッシモ・フィッカデンティ氏から金明輝監督代わる中、新体制の初陣で好スタートを切った。
前半終盤に2点を連取し、フェルナンド・トーレスにも6試合ぶりのゴールとなるヘディング弾が生まれた。一時は同点とされたものの、78分にジョアン・オマリが決勝点を決めて勝負あり。鳥栖にとって4試合ぶりの白星だ。
3日間で開催された今節、下位チームの順位は目まぐるしく変動。長崎戦開始時は17位だった磐田は、1ポイントを得て15位に浮上。鳥栖も16位に順位を上げ、自動降格圏を抜けた。しかし、今後も順位は入れ替わるはずで、一喜一憂している場合ではない。
生き残りを目指す面々は次節、どのような戦いを見せるだろうか。
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