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本田圭佑 6年前

本田圭佑、必然の豪州デビュー弾。「ケイスケ効果」に沸くメルボルン・V、すでに存在感は絶大

text by 元川悦子 photo by Getty Images

本田が選んだ新たな道

本田圭佑
本田圭佑はパチューカでロシアワールドカップに出場するための“改革”に取り組んだ【写真:Getty Images】

 2017年夏に赴いた4つ目の国・メキシコは日本代表キャリアの集大成と位置づけたロシアワールドカップに照準を合わせたものだった。当時のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が右サイドの選手に縦への推進力と裏に抜けるスピードを強く要求したことから、標高2400mの高地であるメキシコで肉体改造と走り方改革を行いながら、プレーをブラッシュアップさせることがメインテーマだった。

 ポジションはトップ下やインサイドハーフ中心で、日本代表とは違っていたが、「パチューカで日本代表に欠けているものを自分が補う付加価値は何か、自問自答して取り組んだ結果、体重的には下がった。それをやり遂げたのは、あの田舎ならではかもしれない」と本人も過酷なフィジカル強化に取り組んだことを明かした。結果としてリーガMXではシーズン二桁得点をマーク。同国では2017年8月22日のベラクルス戦でデビュー戦ゴールを叩き出すなど、「得点を取れる本田圭佑」を取り戻し、ロシアワールドカップでの成果につなげた。

 こうして海外で10年間を過ごしてきた本田だが、今回のオーストラリアでは得点やアシストといった部分とは異なるところに強いこだわりを見せている。それは2年後の東京五輪でオーバーエージ枠にボランチとして選ばれるために他ならない。

 あえて自身最大のストロングポイントである決定力の部分ではなく、ハードワーク、球際や相手ボールホルダーへの寄せといった守備面、あるいはゲームメイクやチーム全体をコントロールする役割にフォーカスするというのはストレスが溜まることかもしれない。だが、そうするしか森保一監督率いるチームには選ばれる道はないと考えているのだろう。

 20日の新天地デビュー戦での本田は、序盤こそ新ポジションへの戸惑いを垣間見せたが、前半26分に奪った豪快なヘディングシュートによる先制点で一気にリズムを引き寄せた。ビデオアシスタントレフェリー(VAR)によるアンラッキーなPK献上の流れで同点に追いつかれた後半は、相手のペースダウンも追い風になって守備面での鋭さが増し、2度の決定機も演出した。

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