アトレティコ撃破へ最高のスパーリング
後半に入り、アルカセルに代わってフィリップが入ると、ドルトムントは、攻守における連動性を前半に比べて欠くことになった。もちろん前半だけで3点のリードを奪ったことや、シュトゥットガルトが布陣を3バックに変更したことなど、要因はいくつかあるだろう。しかし、少し悪い流れになりながらも、決して相手に得点は許さず、最後は85分にフィリップがダメ押しとなる4点目を奪った。
試合後の会見でルシアン・ファブレ監督は、次のように振り返っている。
「我々はとても良いスタートを切って、45分を終えると、3:0とリードを奪った。ハーフタイムの後でシュトゥットガルトはとても危険だったね。にもかかわらず、我々はこの試合をコントロールした。全体としては勝利に値するものだ」
80分にロイスが退くと、やはり“ロイス・システム”を維持できなくなってしまうところがあるように、もちろん課題が全くないわけではない。しかしアトレティコ戦を前にした現時点という意味では、“最善のスパーリング”を行うことができた、と言えるのではないか。
シュトゥットガルト戦を終えて、ここ5試合で22得点と圧巻の破壊力を見せつけている攻撃陣が、スペインのみならず欧州屈指の守備組織に挑む準備は、整った。
(文:本田千尋【ドイツ】)
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