「本当に大変な試合でした」(安部)
来年のU-20ワールドカップ出場権獲得を目指ししているU-19日本代表は、インドネシアでアジア予選を戦っている。
U-19世代で大陸の頂点を決める戦いと、U-20ワールドカップ予選を兼ねた大会がAFC U-19選手権だ。多くの場合、19歳の選手がプロになって初めて「代表」として国を背負って戦う場になる。
影山雅永監督率いるU-19日本代表は、19日にグループBの初戦でU-19北朝鮮代表に5-2で勝利を収めた。ただスコアを見れば「大勝」と言ってもいいのかもしれないが、前半の早い時間帯に2-0と先行しながら、ハーフタイムまでに2-2に追いつかれる、一歩間違えば負けていてもおかしくない試合だった。
後半に途中出場してダメ押しのゴールも奪った安部裕葵は「初戦からやっぱり2-0から2-2というのを見れば、本当に大変な試合でしたし、外から見て5-2という数字だけ聞くと圧勝のように見えますけど、相当苦しんだと思う」と苦戦を認めていた。
斉藤光毅と伊藤洋輝のゴールで楽勝ムードが漂ってしまったか、ちょっとした気の緩みが2失点を招いてしまったことは多くの選手が認識している。伊藤は「やっぱり2点を取って、みんなが安心してしまった部分というか、少し緩くなってきた部分での2失点だと思う」と語り、菅原由勢も「チームの緩い雰囲気が流れてしまった時間帯ではあった」と立て続けにゴールを許した前半のラスト10分間を悔やんだ。
しかし、ハーフタイムを経てロッカールームを戻ってきた選手たちには自信がみなぎっていた。誰よりも早くピッチに現れた久保建英は、主審と相手のラフプレーについてコミュニケーションをとり、駆け引きする余裕すら見せていたほどだ。
なぜあれほどまでに力強くチームを立て直せたのか。影山監督は「自分たちで笑いながら色々な反省を語っている、ロッカーに戻ってきた時に自分たちでそういうことができるのが、この選手たちの強み」と語っていたが、その源泉には選手たちの揺るぎない自信があるような気がしている。