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セリエA 6年前

白熱のミラノダービーを彩ったイカルディ。明暗を分けた、敵エース・イグアインとの違いとは

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

待っていたATのドラマ

 後半はその予想が的中し、インテルのペースで試合が進む。前半にナインゴランを負傷で欠いた同チームは、途中出場のボルハ・バレロやベシーノを中心にボールを回し、サイドのイバン・ペリシッチやマテオ・ポリターノは単独で仕掛けることはもちろん、基本的にはクロスボールを多く供給し、イカルディの強さを引き出そうとした。

 ただ、ナインゴランを欠いたことにより、ハイプレスの強度は落ちた印象は否めなかった。ミランにボールを持たれても、疲れもプラスしてプレッシャーを与えに行く時間が少し遅れるという場面も多く、簡単に自陣へボールを運ばれてしまう。ブロゾビッチはバランスを取りながら中盤の底で待ち構えていたが、一人では止めることは不可能で、数的不利な状況を多く作られてしまった。

 ミラン・シュクリニアルとステファン・デ・フライの両CBがうまくポジショニングし、時間をかけさせることで大きなピンチを招くことはなかったが、ミランに何度か良い形で攻撃を行わせてしまったのである。

 しかし、依然としてボールを持つのはインテルであり、ミランは段々とセカンドボールを回収できなくなってきた。パトリック・クトローネを投入し、攻撃にバリエーションを加えようとしたアウェイチームだったが、それも功を奏さず。インテルペースのまま、試合はATに突入した。

 誰もがスコアレスドローを予想した92分、ドラマが待っていた。右サイドでアントニオ・カンドレーバからボールを受けたベシーノがクロス。中で待っていたイカルディがこれを頭で合わせ、ボールはゴールの中へ。ATでインテルが先制に成功した。

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