ジェノアを圧倒も。追加点奪えず
来たるチャンピオンズリーグ(CL)のマンチェスター・ユナイテッド戦を意識してか、主将のジョルジョ・キエッリーニやパウロ・ディバラ、代表戦でも好調だったフェデリコ・ベルナルデスキをベンチに置いてのスタート。にも関わらずユーベは前半、不安定なところを見せなかった。
ジェノアは代表ウイーク中にダビデ・バッラルディーニ監督を解任、イバン・ユリッチ監督のもとで再出発を図った。そのために選手もラインを上げ、かなりアグレッシブにプレスをかけて来ていたのだが、ユーベはそれを問題なく押し込む。特に右サイドバックで不動の地位を得たジョアン・カンセロは、ミランに移籍したディエゴ・ラクサールの不在に悩むジェノアの左サイドを一人で押し込んでいた。
ジェノアの前線には、8試合で9ゴールと大ブレイク中だったクシシュトフ・ピョンテクがいたが、ユーベのCB陣はシュートを打たせないどころか、厳しいチェックでボールさえ触らせない。パスを繋いでもブレーズ・マテュイディが刈り取りに来て、しかも攻守が入れ替わればゴール前まで出てくるのだから始末に負えない。
極め付けは、やはりクリスティアーノ・ロナウドだ。ゴール前に詰めて、GKアンドレイ・ラドゥのこぼしたボールを狡猾に押し込んだかと思えば、ゴールから離れたところでも積極的に動いてチャンスを作る。ゴール前を開けて味方選手を走りこませると、そこに正確なパスを供給。ただでさえ戦力の厚いユーベに、攻撃の流動性まで演出していた。
リードが一点だけだったのが、逆に不思議なほどの圧倒ぶり。ただ逆に言えば、圧倒した時間帯に追加点を奪えなかったことは落ち度だったとも言える。後半、ユーベはジェノアに捕まり、失点の挽回にも失敗した。
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