チェルシーの「策」が的中
そして、チェルシーが待望の先制ゴールを奪う。ここでも的中したのはサッリ監督が用意した「策」である。
21分、CKからアントニオ・リュディガーがドンピシャのヘディングシュートでゴールネットを揺らした。一見すると普通のゴールなのだが、チェルシーは“準備”の段階でマンUを上回っていたのである。
CKの場面、リュディガーにマークを付いていたのはポール・ポグバ。そして、両者の目の前にはダビド・ルイスとヴィクトル・リンデロフがポジションを取っていた。しばらくしてボールが蹴り上げられると、リュディガーはD・ルイスとリンデロフの外側を回り、PA内中央へ侵入した。そして、少し動きが遅れたポグバは、目の前にいたD・ルイスがブラインドとなり、完璧にマークを外してしまった。
背番号30は本来であればターゲットとなるはずだったが、この日は置物のように動かず。ポグバの動きを遅らせる役割を完遂し、リュディガーのゴールをサポートしたのだ。得点後、D・ルイスがベンチを指さしたシーンからは、用意していた「策」が的中したことを表していた。
前半はチェルシーの「策」が当たり続け、チェルシーが完全にゲームをコントロール。1-0で折り返したが、両者の差はそれ以上に広がっているようにも思えた。
後半立ち上がりも、チェルシーがボールを支配した。しかし、マンUは一瞬の隙を突き、同点に追いついたのだ。
55分、左サイドのルーク・ショーからクロスボールが入る。これをクリアしたM・アロンソだったが、直後に足を痛め、PA内に倒れ込んだ。しかし、ボールはタッチを割らない。その後もプレーは続き、最後は倒れているM・アロンソの前にポジショニングし、フリーになっていたアントニー・マルシャルが押し込んだ。
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