スコアを動かせず、潮目が変わる
20分を過ぎたあたりから、名古屋が攻勢に出るようになる。26分、エドゥアルド・ネットのスルーパスをPA内で受けた小林裕紀がフリーでシュート。30分には左から右へ振り、玉田圭司がクロスを合わせた。レイソルが失点していてもおかしくないシーンだったが、いずれも桐畑が立ちはだかった。
名古屋は勢いを増した。攻撃が前提といえるような布陣で、選手たちが力を発揮し始める。そして、レイソルはその流れを切れない。すると35分、セットプレーの流れからボールを拾われ、最後は前田直輝に押し込まれてしまった。
「守るべきところでしっかり守れなかった」と振り返ったのは小泉慶だ。試合序盤から鋭い出足でボールを刈った背番号8だが、少しずつ相手を止められなくなっていったと言う。
「セカンドボールを拾い切れなかった。そこが今日の敗因の一つだったと思うし、そこは個人的な部分でボランチとして修正しないといけない。名古屋にはジョーというターゲットがいて、そこに引きつけられて下がりすぎると、なかなか拾いにくくなった。それから前半に何度か、奪ったボールをもっと大事にしないといけない場面があった」
最後まで1点が遠かった。オルンガを投入するも実らず、77分には高木が2枚目のイエローを受けて退場。一人少ない状況で前に人数をかけ、ひたすらクロスを上げるも相手を慌てさせることはできなかった。
勝利を逃がしたレイソルだが、右サイドのコンビは相変わらずの破壊力を誇った。チャンスを量産した時間帯に得点できなかったことは課題だが、ストロングポイントが機能している点は、敗れたチームにとって希望と言えるかもしれない。
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