久保建英は直接フリーキックで日本の勝利を大きく引き寄せた【写真:AFC】
来年のU-20ワールドカップ出場権をかけた戦いが始まった。AFC U-19選手権のグループリーグ初戦が19日に行われ、U-19日本代表はU-19北朝鮮代表との乱打戦を5-2で制し勝ち点3をもぎ取った。
前半の早い時間帯に2点を先行した日本だったが、35分を過ぎてから相手にPKを与えるなどして2失点。一気に追いつかれてしまう。しかし、その流れを変えたのは、あの男だった。
後半も中盤に差し掛かった65分、ペナルティエリア手前で得たフリーキックをFW久保建英が直接ゴールネットに叩き込んだ。ゴールまで約25mの距離から相手の壁の上を越えてニアサイドのゴール右隅を打ち抜く強烈な一発が、日本に大きな勢いをもたらした。
「初戦がこういう形になることはわかっていた」と語る久保は、「毎回ゴールを決めたら嬉しいので、サッカーはゴールを決めるスポーツなので良かったです」と自らの得点を喜ぶ。その表情はいつになく柔らかく、充実感が漂っていた。
前日練習では「リーグ戦もそうですけど、こういうトーナメントになるとより一発勝負になってくるので、そういうところでも経験値を今後も蓄えることが必要。今回、そこをどういう風に過ごしていくか、みんなもJリーグとか普段やっている場所とは違った戦い方が必要になってくる」とJリーグとは違った難しさがあることを強調していた久保。もちろん国際大会の初戦の難しさも十分に理解していた。
だからこそ「自分としては強烈な個が揃っているチームだと思うので、その選手が出来ることをやった」と初戦の勝ち点3獲得に手応えを感じている。
斉藤光毅の先制点につながるスルーパスでもゴールに関与し、自らも直接フリーキックを沈める活躍で役者の違いを見せつけた久保。U-20ワールドカップやU-17ワールドカップなどに出場し、チーム随一の経験値を誇るファンタジスタが日本を引っ張っていく。
(取材・文:舩木渉)
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