五輪への活路。新ポジション挑戦へ
ピッチ内でも新しい挑戦をしていく。「試合を観てもらえればわかると思うが、ポジションが変わる。新しいポジションで新しいチャレンジになる」と本田は語る。
本田の主戦場はトップ下。ACミランや日本代表では右サイドでのプレーも多かったが、いずれにせよ2列目。得点を狙いやすい位置だった。そこよりは1列下がったポジション、日本ではボランチと呼ばれている位置でプレーすると思われている。
現地では4-4-2の「2」、もう1人のスター選手FWトイボネンと2トップを組むという報道もある。だが、ケビン・マスカット監督も「ケイスケは開幕前までMFとしてプレーしてきた」と試合前日に語っており、やはり中盤の下がり目の位置なのだろう。
本田にとって当面の目標は2020年東京五輪にオーバーエイジで出場することだ。もちろん簡単ではない。堂安律をはじめ若い世代での選手たちが頭角を現している。加えてオーバーエイジは3人のみという狭き門だ。圧倒的な実力を見せつけなければ、メンバー入りは難しい。
そういった意味では今回の新ポジションは活路を見いだせるのではないか。先日、本田は帝京大学と提携。アスリートのフィジカル強化に定評のある同大学から専任のコーチが派遣され、主にランニング面をサポートするという。フィジカル面でこれまでとは違ったアプローチをすることで、ボランチとしてトップレベルのパフォーマンスを発揮すれば、五輪への道も見えてくる。
多くの新しい挑戦を同時にスタートさせる本田にとって、最優先すべきなのはメルボルン・ビクトリーでのプレーだ。そこでの活躍なくして五輪は見えてこない。
果たして本田はどのようなデビューを飾るのか。活躍して当然という期待感は強烈なプレッシャーとなるが、本人はそれすらも楽しみにしているかのようにこう語った。
「ワクワクしている」
注目のデビュー戦は現地時間19時50分(日本時間17時50分)キックオフだ。
(取材・文:植田路生【メルボルン】)
【了】