遠藤航は長谷部誠の後継者となるか
そう振り返る遠藤の90分を通じての柔軟な対応がなければ、前半の時点で2-2になり、全く違う試合展開になっていた可能性が高い。こうしたプレーは前キャプテンでもある長谷部誠が得意としていたものであり、キャプテンとしてだけでなく、”縁の下のキーマン”として歴代の監督が重用し続けた理由の1つでもある。
結果的に3失点した試合ではあるが、選手たちがピッチ上で1つひとつ気の利いたプレーを見せており、それは堂安や南野、中島と攻撃的な選手たちも当てはまる。その中でもボランチとして攻守を支える遠藤のチームを救うプレーが際立った試合でもあった。
攻撃において相手のプレッシャーを受けても落ち着いて組み立て、相棒の柴崎岳とともにチャンスの起点として機能した遠藤。ロシアワールドカップでは出番なく終わったが、複数のポジションをこなせるオプションから中盤のキーマンとして脱皮を果たしつつある。
攻撃的なポジションの選手が躍動し4得点を記録した試合において、これまで長谷部が去ったポジションに頼りになる新たな”縁の下のキーマン”が出てきたことは11月の2試合を経てアジアカップに臨む森保ジャパンにとって実は非常に大きな収穫と言える。
ワールドカップ3大会に渡り長谷部が巻いたキャプテンマークはディフェンスリーダーでもある吉田麻也に託されることになったが、戦術面では遠藤が偉大な”前任者”を引き継いでいく。その期待に応えるウルグアイ戦のパフォーマンスだった。
(取材・文:河治良幸)
【了】