「若い頃の香川真司を思い出す」
まず森保ジャパン発足後3戦4発の南野はゴール前の落ち着きと精度が頭抜けている。
「前回の代表帰りから自分のコンディションが上がってきているなって感じていたので、今回もその勢いをこの試合に持っていければいいと思っていましたけど、それを継続できてよかった」と本人も安堵感を吐露したが、相手の動きやゴールの枠がよりハッキリと見えている状態と言っていい。
ゴディンとの距離感を測りながら右足インサイドでボールを持ち替えて反転した1点目の冷静さを見ても、自信と余裕が大いに感じられる。
「ヨーロッパリーグ(EL)を通して自分が意識しているのはつねに動きながらボールを受けること。止まった状態でガッツリ受けるのは難しいんで」と語っている通り、174㎝という自身の体躯を視野に入れつつ、屈強で大柄なDFをかわす術を体得し、A代表でも実践できている。それがゴール量産の秘訣だろう。
167㎝の中島、172㎝の堂安についても速さと動き出しの鋭さ、思い切りのいい仕掛けで相手をキリキリ舞いできることを証明した。もちろんウルグアイは欧州や南米から移動してきた疲労や時差などで苦しんでいて、3カ月前のロシアで見せたキレや鋭さを欠いていたが、それを差し引いても2人の突破力やスピードは大きな武器となった。
「自分はポルトガルでもポルトだったり、スポルティング、ベンフィカというチームとやってますし、複雑には考えずに楽しんでいこうと思っていた」と新背番号10は満面の笑みを見せたが、彼もまた1年間の海外生活で外国人DFとの間合いや駆け引きを覚え、自身最大の強みであるドリブル突破を臆することなく発揮できるようになった。
「若い頃の香川真司を思い出す」と長友に言わしめたことが、中島のクオリティの高さを物語っている。