酒井が語る世界的ストライカーの脅威
2012年ロンドン五輪から昇格してきた酒井高徳が代表に区切りをつけ、山口蛍や清武弘嗣もメンバー外となった今、彼は数少ない生き残りでもある。もちろんロンドン落選組の大迫、原口元気、柴崎はいるが、「不遇世代」と見られがちなロンドン五輪組の意地と誇りを示すべく、まだまだ走り続けなければならない。
森保ジャパン発足後、右サイドバックにはリオデジャネイロ五輪世代の室屋成が台頭。新たな競争が生まれつつある。無尽蔵の走りとダイナミックさを強みにしている点は2人に共通するところだが、室屋にはまだ足りないものもあると先輩SBは指摘する。
「今の若い選手はうまいけど、相手が強くなった時にいつものプレーができるか、落ち着きを出せるかが重要になってくる、それはもう経験するしかない。僕自身も安定感ってところをすごく追い求めてきましたから」とロシアで主力を張った男は2012年5月のアゼルバイジャン戦での初キャップから6年間の紆余曲折と苦しみをにじませた。
内田篤人という先輩の背中を見て学び、ドイツやフランスで安定感を身に着けたからこそ、今の彼がある。その底力をウルグアイ相手に遺憾なく発揮し、最終ラインをコントロールしてこそ、酒井宏樹自身も日本代表ももう一段階上に登ることができるのだ。
経験値という意味では、ウルグアイのエースFWの1人であるエディンソン・カバーニと直接対決している点も大きい。そこも日本が次戦を乗り切るうえで不可欠な要素と言っていいだろう。
「カバーニは80分くらいはポジションを取ってない選手ですけど、その10分で2、3点取る選手なんで、警戒はしたい。ロシアでも最後の16mのところの精度っていうのが勝敗を分けると思ったけど、そのペナルティエリアの中での仕事が一番得意な選手。ホントに細心の注意を払いたい。僕らは90分で1点決められれば評価は下がるので、90分間集中したいです」と酒井宏樹は説明した。緩急を大胆につけられるところが世界的点取屋に共通する重要ポイントなのかもしれない。