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日本代表 6年前

日本代表が直面する「本田&長谷部ロス」。長友佑都らが危惧、森保J若手が大人しすぎる

text by 元川悦子 photo by Getty Images

足りないのは経験値、そして「キャラ」

 ただ、ポジティブな方向に進んでいるとはいえ、まだ若い選手だけで世界を倒せるレベルには至っていない。A代表出場歴が少ない新世代の面々には「世界トップとの堂々と駆け引きする力」が足りないからだ。長友を筆頭にロシアで代表をけん引したベテラン選手たちはそういう能力を間違いなく備えていた。

「南米の選手たちは試合の初めに相手を威圧する。危険な場所ではないところでガツンといって、ファウルをして、相手に『こいつ来るな』って思わせるというか。僕がインテルにいた時には、(ハビエル・)サネッティとか(ワルテル・)サムエルとか(エステバン・)カンビアッソとかに『最初にまずいけ』とよく言われた。そういうずる賢さはやっぱり必要になってきますよね」とベテランサイドバックが強調した通り、海外や代表で長いキャリアを持つ選手たちは心理戦で相手を上回る術を熟知していた。

 実際、8年間キャプテンを務めた長谷部誠も、ワールドカップ3大会で4ゴールの偉業を果たした本田も、どんな状況に立たされようともメンタル的に憶することはなかった。

 若い世代には経験値が不足している。ヨーロッパリーグ(EL)参戦中の南野と言えども、国を背負った状態でギリギリの修羅場をくぐった回数は少ない。日の丸をつけて間もない伊東や冨安、堂安律もそのあたりは未知数だ。ウルグアイというFIFAランキング5位の相手と対峙してみて、彼らの本当の力が分かると言っても過言ではない。その厳しさを改めて若い世代に伝えようとしている長友の気配りには敬意を評するべきだろう。

 彼らベテランにあって新世代にないもう1つの重要ポイントが「周囲を動かす強力なパーソナリティとコミュニケーション力」だ。ロシアワールドカップ組と若手の融合の第1弾と位置づけられる今回の10月シリーズが始まってからというもの、年長者たちから「若い選手たちが大人しい」というコメントがあちこちから聞こえてくるからだ。

 長友が「代表のイメージがちょっと変わりましたね。前は濃いキャラのやつがたくさんいたんで。(本田)圭佑とは宇宙の話とか生きる意味とかいろいろ話しましたけど、それを若手にしても引かれるので…」と残念そうに話し、ロシアワールドカップ組の中では口数の少ない方だった大迫勇也も「若手との会話はそこまで多くない」と違和感を吐露するなど、世代間コミュニケーションの方法に微妙な温度差に生じているのはやはり気になる。

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