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日本代表 6年前

GK視点で振り返るパナマ戦。最後方から見出した勝機、チームに安定をもたらす「平常心」

text by 舩木渉 photo by Getty Images

権田が見出した「日本人の良さ」

権田修一
権田が見出した「日本人の良さ」とは【写真:Getty Images】

 そうしてサポートを受けられない大迫がボールを失い、相手に攻撃の機会を与えてしまう場面が何度かあった。これがまさに、森保監督が試合後の記者会見で指摘した「カウンター、あるいはビルドアップでも、シュートチャンスまでいける状況があった中で、崩しのところがうまくいかずボールを失ってしまい、相手にカウンターのチャンスを与えてしまった」点。今後の課題としてチーム全体として解消していかなければいけない要素でもある。

 とはいえ日本の守備自体は悪くなかった。ディフェンス陣は権田や槙野を中心に、得点後やプレーが切れたわずかなタイミングを見つけて密にコミュニケーションを取って、距離感やタイミングを調整。初めての組み合わせでも組織を破綻させずに無失点で終えられた要因の1つだ。

「2対1を作るとか、1人がチャレンジにいったらそこにカバーが入るとか、そういう緻密さというか、誰もサボらないでやること。例えばサイドバックの選手がもし剥がされても、センターバックの選手がすぐにずれて、そこにボランチの選手が落ちてくるとか。サイドハーフの選手が間に合わなかったら、ボランチの選手がすぐにずれてあげるとか、そういうことをみんなでサボらずしっかりやり切れるところは日本人の良さ。だから1対で勝てなくても、2対1で守ればいいし、それをとにかく高いレベルで速いスピードでやり続けられるのが日本人の良さなのかなと思う」

 仮に対人能力で相手に劣り、1対1で勝負することが難しくても、組織的に局面で数的優位の状況を作り続けられることが、「僕は世界で日本人にしかできない良さだと思う」と権田は語る。そして「森保さんのサッカーはそういうサッカー」だとも。

 最後に、GKの「GKとしてのプレー」にも触れておきたい。日本が放ったシュートが10本あったのに対し、パナマは4本。そのうち3本は枠外で、枠内に飛んだ後半の1本は権田がしっかりとキャッチした。特に後半はパナマにボールを持たれる時間も長くなったが、落ち着いて守備陣を統率して効果的な攻撃をほとんど許さなかったオーガナイズ力も光った。

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