権田修一、3年7ヶ月ぶりの日本代表戦出場
GKは常に最後方からピッチ全体を見渡している。平常心を保てていれば、ピッチ上で最も冷静に戦況を見極めることのできるポジションだ。
12日に行われたパナマ戦。日本代表のゴールマウスを守ったのは権田修一だった。A代表では3年7ヶ月ぶりの先発出場だったが、酸いも甘いも噛み分けた経験豊富な守護神は「サガン鳥栖でも、昔いたFC東京でも、ホルンでも、日本代表でも、どこでやってもサッカーはサッカー。いつもの感じでできた」と緊張することなくピッチに立った。
「平和で良かったですね、今日は。GKにとってはまず失点しないことが第一なので、これくらいやっぱりディフェンスやチームみんなが走ってくれると、ほとんどシュートも来ていないですし、クロスにしても中で体を張って跳ね返してくれているので、やっぱりこれが今の日本のディフェンスの良さなのかなと」
試合を終えた権田は落ち着いた様子で、パナマ戦の90分間を総括した。とはいえGKの目線に立って試合を振り返ると、ディフェンス陣との緻密なコミュニケーションや、戦術的なせめぎ合いの中での判断が垣間見えてくる。
パナマはロシアワールドカップ当時からシステムや戦術を変えてきた。この2ヶ月で世代交代も進み、システムは4-1-4-1から4-4-2へ。守備でもポゼッション主体の日本に対して引くことなく、2トップを中心にビルドアップの寸断をしようとしていた。
狙っていたのはセンターバックからボランチへのパスコースを消して、両サイドバックにパスを入れさせること。そこに2人のウィンガーをマンツーマン気味につけることで、前進を阻もうとした。
しかし、日本もパナマがある程度前からプレッシャーをかけてくることを想定しただろう。序盤から青山敏弘が、冨安健洋と槙野智章の両センターバックの間に落ちてビルドアップをサポート。相手の2トップに対して常に数的優位を作りながら攻撃を組み立てていった。