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日本代表 6年前

新世代台頭の森保J、南野拓実や伊東純也が躍動。ウルグアイ戦で問われるロシアW杯組の真価

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

気を使ってしまったロシア組

日本代表
パナマ戦に出場したロシアW杯組の原口と大迫【写真:Getty Images】

 森保監督の狙いがはまり、守りの方は前半からある程度落ち着いていたが、攻撃の方はやはりギクシャクしていた。特にやりづらそうにしていたのがロシアワールドカップ組の2人だ。「正直(新しい選手の)ボールの持ち方とかタイミングとか角度とか距離感がまだまだ。選手が半分以上変わっているから合わないのが普通」と大迫が語ったように、香川真司や本田圭佑らの感覚に合わせてきた時とは勝手が違う。

 そこで気を使ってしまうのが、代表の年長者となった大迫や原口だ。原口は「特にそんなつもりはなかった」とコメントしていたものの、「若い選手をイキイキとやらせたい」という気配りが強すぎて、自身の推進力やドリブル突破力を出しづらそうにしていた。そういうマイナス面も作用して、若手の方がより躍動していた印象が強かったのだろう。

 実際、ゴールに直結したプレーという観点で言えば、森保体制2試合連続得点の南野と伊東は強烈なインパクトを残している。

 9月のコスタリカ戦での南野は約3年ぶりのA代表復帰と、生き残りへのプレッシャーから動きに硬さが見られ決定機を外すシーンも多かった。が、今回は序盤から攻守両面でアグレッシブにプレーし、空いたスペースに確実に顔を出していた。

 そこはキャプテンマークを巻いた青山敏弘も認めていた部分。「顔を上げた時に準備してくれているし、ポジショニングや体の向きだったりも出し手にとっては有難い。ボールも収まるし、テンポも出る。真ん中の相手のプレッシャーの強い中であれだけいい形で動いてくれる」と絶賛していた。

 そうやって効果的な仕事をこなしたうえで、42分に先制弾を奪ったのだから、より価値が高い。DFハロルド・クミングスを一瞬の反転で置き去りにし、体を寄せてきたフィデル・エスコバルにも動じず左足でシュートを決めきるところはは紛れもなく成長の証。ここまでのゴール前の冷静さは同じポジションの香川も持ち合わせていない。新生ジャパンのエース候補に躍り出たのは確かだろう。

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