「ワールドカップなんですか?」
10月8日はパウロ・ベント監督率いる韓国代表の25人が坡州(パジュ)にあるナショナルサッカートレーニングセンター(NFC)に招集される日であった。事前に告知されてたのは午後3時だったが、選手たちが早く入所するかもしれないという情報があったため、筆者は午後1時過ぎくらいにNFCについた。
早く行かねば…と思ったのは筆者だけではなかった。およそ20人以上のジャーナリストがすでに集っていた。ペン記者だけでなく、放送局報道関係者も多数見られる。写真記者を含むと約40人くらいの大人数。この日、イギリスから帰国したキ・ソンヨンはこう言った。
「ワールドカップなんですか? こんなに集まられるなんて」
そう、これが今の韓国におけるサッカーの人気ぶりである。国内リーグへの人気はさておき、A代表への関心は高まりつつある。ものすごいとしか言いようがない。ある話を紹介したい。9月のチリ戦が終わった後、大韓サッカー連盟(KFA)はファン感謝デーを開催した。KFAが予想した来場客はおよそ500人。ソウルから車で約1時間以上離れているNFCでのイベントだったため、KFAもそれほど多くのファンの来場を想定していなかった。
だが、このファン感謝デーになんと1000人以上のファンが集まった。NFCに1000人を収容できるようなスペースは用意されていない。だが、ファン感謝デーが開催されると聞いて各地方から集まったサッカーファンがすでに行列を作っていた。結局500人以上の人数を受け入れ、より多くのファンがソン・ミンフンやイ・スンウなどの人気選手と触れ合うことができた。今までの韓国サッカーでは想像しがたいことだった。
間違いなくあの6月のセンセーションからスタートしたものだった。元世界王者のドイツに2-0の勝利を収めてから、韓国は沸騰し始めた。そしてアジア大会での金メダルがそのムードに油を注ぎ、9月のコスタリカ戦やチリ戦での善戦もファンにサッカーの存在感を猛アピールするに十分なものだった。