日本代表【写真:Getty Images】
【日本 3-0 パナマ キリンチャレンジカップ2018】
日本代表は12日、キリンチャレンジカップ2018でパナマ代表と対戦し、3-0で勝利を収めている。
先月のコスタリカ戦に続き3得点、そして無失点で試合を終えることが出来た点は、森保一監督、そして選手たちからしても、納得のいく結果だったかもしれない。ただ、パナマ代表が日本代表にとって収穫のある相手だったのかと問われれば、少し疑問が残る。
パナマ代表が今夏のロシアワールドカップに出場したことは周知の通り。同国にとってはこれが初のワールドカップであり、サッカー界の歴史に新たな1ページを刻んだことは紛れもない事実だ。しかし、まだ世界で戦えるレベルに到達していないことは明らかであり、結果的にベルギー、イングランド、チュニジアに敗戦を喫して大会を後にした。
ただ、日本はこの「W杯に出場した」という事実だけで、パナマ代表を「良い相手」としている。FIFAランキングは日本よりも下の70位、世界的に有名な選手がいるわけでもなく、チームの完成度が高いとは決して言えない。そんなチームが本当に良い相手だったのだろうか。
実際、パナマ代表のパフォーマンスは90分通して森保ジャパンの脅威とはならなかった。前半からしっかりパスを回してきたパナマ代表だったが、それもほとんどが横パスだ。勝負に出る縦パスを前線に送っても、ミスが発生し簡単にボールを奪われる。スピード感もまったくない。それに加え、かなり前目に出てきたため、日本がカウンターでフィニッシュまで持っていくことはそう難しくはなかった。むしろ後ろに引かれた方が、日本にとっては厄介だったかもしれない。
日本のDF陣は90分間大きな仕事が回ってこなかったと言っていいだろう。相手の守備陣もゴタゴタしていた印象が強く、3失点は言ってしまえば必然の結果だった。
では、「良い相手」とはどういったチームなのか。答えは簡単だ。それこそ、次(16日)に戦うウルグアイ代表は日本にとって「良い相手」となるだろう。FIFAランキングは日本より格上の5位、ロシアワールドカップでもベスト8に進出した正真正銘の強豪国との対戦は森保ジャパンの真の実力が発揮される試合になるはずだ。日本戦では、世界的なエースストライカーであるエディンソン・カバーニら、おおむね主力メンバーを起用することが予想されている。日本が4年後のカタールワールドカップでベスト8に進出するためにも、今のうちに倒しておかなければならない相手であることは間違いない。
また、パナマ戦で代表初出場を飾った冨安健洋などと言った選手は、このウルグアイ戦にも出場し、その実力を証明してほしいところである。カバーニら超強力な攻撃陣相手にどこまで対応できるのか。今後の代表に必要不可欠な存在となるかもしれないこうした若手選手を、世界の強豪相手にぶつけるというのも、日本が成長していくためには重要なポイントになるだろう。
パナマ代表を悪く言うつもりはまったくないが、「良い相手」でなかったことは試合を見れば一目瞭然だ。結局は収穫が何もなかったのも事実。次のウルグアイ戦こそ本命、森保ジャパンの真価が問われる一戦となるだろう。
【了】