コンディションに懸念。前日練習に全員揃わず…
パナマ代表のロシアワールドカップでの戦いぶりを覚えているだろうか。初めての出場となった世界の舞台でベスト4に進出した2ヶ国と同グループになり、大会全体を見渡しても戦力規模は最小クラスでありながら、最後まで勇敢に戦い抜いた。
そしてパナマ史上初のワールドカップ出場に大きく貢献した大ベテランたちが代表から引退し、監督も退任。新たに自国のサッカーを知り尽くした英国系パナマ人のガリー・ステンペル監督をトップに据え、12日の日本代表戦で就任2試合目を迎える。
ステンペル監督は11日に行われた記者会見で「日本との対戦は私たちにとって大きな挑戦である」と語った。4年後のカタールワールドカップを目指すにあたって、新世代を融合させた、これまで以上の代表チームを作るというミッションは決して簡単ではない。
「パナマ国民はまさかワールドカップに出場する日が本当にやってくるとは思ってもいなかった」
指揮官はそう語る。パナマは中米に位置する人口約400万人の小国で、最も人気のスポーツはボクシング。野球やバスケットボールも盛んで、「サッカーが一番」という環境ではない。そんな中で史上初めてワールドカップ出場という偉業を成し遂げたサッカーパナマ代表への国民からの期待は相当に高まっているという。
とはいえ「確かにベストの状態でないのは事実」とステンペル監督は認めている。パナマ代表はメンバーこそ「JFAとの間で少なくともワールドカップのメンバーを15名以上連れてくるという合意が取り交わされていたため」にロシアで強豪国と戦った面々が多く揃っているものの、来日したのは20人しかいない。
さらに、もともと予定されていたことだというが、多くの選手の合流が遅れた。11日の日本戦前日練習に参加したのは20人中19人で、その時点でMFミゲル・カマルゴはまだ新潟に到着していなかった。10日夜に到着したばかりのFWロランド・ブラックバーンとカマルゴの2人が日本戦に出場するのは困難で、長旅による疲労や時差ぼけの影響を受けているチーム全体にコンディション面で懸念があるのは間違いない。