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日本代表 6年前

原口元気は「融合」の象徴となるか。27歳に漂い始めた風格、世代間をつなぐキーマンに

text by 元川悦子 photo by Getty Images

新天地ハノーファーでは苦しむが…

原口元気
新天地・ハノーファーでは怪我の影響もあり、苦しんでいるが…【写真:Getty Images】

 弱冠20歳だった7年前の2011年10月のベトナム戦でA代表初キャップを飾った原口も早いもので27歳。今回の23人の中ではちょうど真ん中の立場になる。森保ジャパン発足後に招集され始めた堂安律や冨安のような若手は、ロシアワールドカップまで8年間チームをけん引した偉大なキャプテン・長谷部誠やワールドカップ3大会4得点の偉業を果たした本田圭佑らと接したことがなく、彼らが長年抱き続けた代表魂を知らない。

 その先輩たちとともに過酷なアジア予選を戦い、ロシアで奮闘した原口には彼らが残したものを引き継ぎ、下の世代に伝承していく重要な役割が託される。本人もそれをよく理解しているから「ピッチ上で100%でやること、サッカーに対する気持ちを表現することを見せないといけない」と語気を強めたのだ。ヤンチャな一面を垣間見せることの多かったかつての原口とは全く異なる風格を感じさせてくれたのは、新たな4年間を歩んでいくうえで、前向きな要素と言っていい。

 ロシアの後に赴いた新天地ハノーファーで10番を背負いながら、まだ今季ブンデスリーガ1部でフル出場できていない点には懐疑的な見方もあるが、「(右足を)肉離れしたところがなかなか治らなかった。今の(アンドレ・ブライテンライター)監督から『100%でできてない時は使えない』という話をされていたけど、もういけるところに来た。この前の試合(7日のシュツットガルト戦)でもほぼ100%でできたし、全く心配していない」と原口自身も断言している。

 フィジカル的に不安を抱えていたら、先人たちの熱い魂を伝えるどころか、堂安、伊東純也、中島翔哉らがひしめくサイドアタッカーのポジションで生き残ることも難しくなる。そこは彼自身が誰よりも痛感しているところだろう。

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