トップ下・香川と南野の違いとは?
コスタリカ戦は守備時は3ラインの4-4-2だが、攻撃時は2トップが縦関係になり、南野が実質的なトップ下になる4-2-3-1という形で2列目に3人が並んだ。その場合、右から堂安、南野、中島という並びになる。
西野朗前監督が率いたロシアW杯は4-2-3-1で右から原口、香川、乾という並び。ロシアW杯では3人が少し広めの距離感で関わりながら1タッチ、2タッチのパスを多めに用いていたのに対し、コスタリカ戦はボールを持ったら早めに前向きに仕掛けて、そこにワンツーなどを織り交ぜる形をとっていた。
最も大きな違いはトップ下の香川と南野の役割の違いで、香川はトップ下でありながら実質的なゲームメイカーであり、基本的に周りの選手を使い、スペースのバランスも考えながら起点になっていくプレーで攻撃の流動性を生み出した。
一方の南野はポジションこそ下がり気味になるものの、やはり本質的にストライカーで、1トップの小林悠と近い縦関係をキープしながら、ボールの位置に従って堂安、中島とも前向きに絡んで縦にスピードアップする。
左利きの堂安は右サイドからボールを持ってどんどんゴール方向に仕掛けていきながら、周りの選手がボールを持てば積極的にペナルティエリア内に飛び込んでいく。
縦の推進力は原口と共通する部分もあるが、できるだけボールを触って勝負していくスタイルで、南野や中島がボールを持った場面でもバランスよりゴールに直結するパスを引き出すためのポジショニングや動き出しを繰り返していた。
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