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日本代表 6年前

日本代表、新たな最激戦区のポジションとは? 台頭する若手にロシアで躍動した主力も

text by 元川悦子 photo by Getty Images

クラブでは不遇も…森保監督も見た原口の闘争心

 一方、実績ナンバーワンの原口もウカウカしてはいられない状況だ。ロシアではラウンド16・ベルギー戦の先制弾を筆頭に、走行距離・スプリント回数トップクラスの走り、献身的守備を随所に見せた原口だが、新天地・ハノーファーでの活躍ぶりが今一つだからだ。

 ロシアでフル稼働したためクラブへの合流が遅れたことに加え、右太もも負傷の影響からコンディションが思うように上がらず、序盤戦は苦戦を強いられている。今季初めてスタメンの座が巡ってきた9月22日のニュルンベルク戦も味方に退場者が出て後半頭に下げられる不運も味わい、いまだリーグフル出場のチャンスが与えられていない。森保監督もコンディション面を心配しているに違いない。

 ただ、そういった苦境に耐え続けた末にロシアで成果を上げたのが原口の強さ。今年1月まで在籍したヘルタ・ベルリンでは1年半近く塩漬け状態に置かれ、1月末に移籍したフォルトゥナ・デュッセルドルフでもいきなり脳震盪で長期離脱するという困難に見舞われた。

 彼を高く評価したヴァイッド・ハリルホジッチ監督も解任され、日本代表での立場も微妙になったかに思われたが、全てのマイナス要素を跳ねのけて、ロシアで誰よりも逞しく走って体を張った。その凄まじい闘争心をコーチだった森保監督も目の当たりにしたはず。

 だからこそ、あえてクラブで実績を残せていない原口の招集に踏み切ったのだ。その期待に応えなければ、彼の言う4年後の2022年カタールワールドカップもない。そのくらいの覚悟を持って、この2連戦を戦い抜くべきだ。

 伊東、堂安、原口以外にも、右サイド要員は数多くいる。ハリル時代に主力だった久保裕也もいるし、浅野も南野も右でプレーできる。それだけタレントがひしめく激戦区で絶対的地位を勝ち得ようと思うなら、頭抜けた活躍度を示すしかない。

 ハイレベルの戦いの中で果たして誰が一歩踏み出すのか。そこは今回の10月シリーズ最大の関心事と言っても過言ではない。9日からスタートするトレーニングの動向を興味深く見守りたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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