モウリーニョへの疑問視も…なにをいまさら?
ジョゼ・モウリーニョ監督に触れる前に、マンチェスター・ユナイテッド上層部の責任を問わなければならない。なぜ、このような状況に、近年にはない絶望的な状況に陥ったのか、真摯に考え、世界中のサポーターに対して説明する必要がある。
サー・アレックス・ファーガソンが去った後、監督の人選は一貫性を欠いている。デイビッド・モイーズが「消去法」だったことはのちにファーガソン氏が明らかにし、ルイ・ファンハールはポゼッションに取りつかれていた。そしてモウリーニョは重心低めの守備型だ。
いったい、どのようなフットボールを目指しているのか、皆目見当がつかない。しかもファーガソン退任後、詰めの甘さでジョゼップ・グアルディオラを取り逃がす失態まで演じている。
また、モウリーニョの「気難しさ」を疑問視する上層部の声も漏れ伝わっているが、なにをいまさら、だ。彼が不遜で、なおかつ好戦的であることは、フットボールに携わっている者ならだれもが知っている。現場の混乱を招いたのはモウリーニョの性格だとしても、それは百も承知で監督に招聘したのではないのか。
モイーズとファンハールを解雇した際も、周囲が納得する理由をユナイテッド上層部は発信していない。この先もグレイザー家とエドワード・ウッドワード(最高経営責任者)は、権力を利用して監督の首を挿げ替え続けるのだろうか。いっさいの責任を現場に押し付けて──。
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