伝染するCR7のメンタリティ
ゴールへの意欲をむき出しにする、華のあるスター。だがそれで終わりではなく、むしろチームの勝利のために泥臭く体を張ることも厭わない。プレーヤーとして、また人間として、C・ロナウドの真実の姿はそういうところに現れているのだろう。
献身を尽くすことによって、試合ごとにチームにも溶け込んでいる。ディバラやマンジュキッチとの連係もかなり形になってきた。C・ロナウドがフィットするだけでなく、ユーベの闘い方自体にも幅と安定感が出てきている。前線でシンプルにパスを交換し、試合終盤になっても攻撃のペースを落とさないのは昨季になかった姿だ。
4日、ベルナルデスキが『トゥットスポルト』のインタビューに対して興味深い証言をしていた。
「クリスティアーノはすごくポジティブで、あれはチームに伝染するんだよ。ユーベも勝者のメンタリティーが植えつけられているクラブだけれど、彼が来て増した感がある」
例の事件について、ユベントスはクラブとしてC・ロナウドを擁護する声明を出している。あるイタリアの著名ジャーナリストからは「C・ロナウドは人間性を問題にされたのではなく、婦女暴行で告発されたのだ。ユーベは何を混乱しているのか」というツイートもなされたが、ピッチでの献身を見せられれば擁護も自然なことなのだろう。
「私は自分が見たことについて価値判断を下す」
アッレグリ監督は、そうも語っていた。
(取材・文:神尾光臣【イタリア】)
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