「心配」を感じさせない圧倒的な集中力
「あの境遇について何かをコメントしなければいけないのは私ではないし、何かをしなけばならないわけでもない。ただロナウドは、素晴らしい試合をした。彼は落ち着いて練習していたし、そして今晩(6日の試合)はものすごいゴールを決めていた」
現地時間6日に行われたウディネーゼ対ユベントス戦後の記者会見で、ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督が語った台詞である。「クリスティアーノ・ロナウドは、心配というものを抱えているようには見えませんでしたが?」という記者の質問に答えてのものだった。
2009年6月にラスベガスでC・ロナウドから性的暴行を受けたとして、アメリカ人女性がネバダ州地方裁判所に申し立てを行い、ラスベガス警察が捜査を再開したという一件。さすがにイタリアでも反響は大きくなった。6日付の『コリエレ・デッロ・スポルト』は「CRSEX(7はイタリア語でセッテと発音することから音を引っ掛けたもの)」などと、かなり露骨な見出しを立てて注目を煽っていた。
もっともその彼は、スキャンダルの影響が出るどころかチームのゴールすべてに絡む活躍。しかもセリエAでの4ゴール目となったウディネーゼ戦の2点目は、アッレグリ監督の言葉通りすさまじいものだった。
マリオ・マンジュキッチから回ってきたパスを、左足のダイレクトシュートでサイドネットにねじ込む。両足を正確に使える技術の高さは昔から知られていたことだとしても、利き足でない左でボールの芯を捉えるプレーはやはり規格外だ。
その後のゴールパフォーマンスを含め、CR7は相変わらず。ただ、この日の一連のプレーを、傍若無人な男の姿と理解するべきではない。ユーベに移籍してからこれまでの試合と同様に、90分間を精力的に、また献身的に戦っていた。