「シティで考えるならデ・ブライネのポジション」
最近、大津がいつも繰り返し口にするのは「チームのためにいかに動けるか、チームが勝つために自分にどういうプレーができるか」ということ。天野を攻撃に専念させられるよう全体のバランスを意識し、相手の攻撃の芽を摘むことを第一にプレーしながら「守備的に考えているから攻撃はしないという考え方ではない」と、本来の持ち味である攻撃的な部分も携えて試合に臨んでいる。
その姿に重なるのは、ケビン・デ・ブライネだ。シティやベルギー代表に欠かせない中盤の要として、攻守にハイクオリティな貢献を見せる世界屈指の名手のダイナミックさが、大津のプレーから垣間見えるような気がしている。
大津自身も「試合や選手の映像は見たりします。シティも見ます。デ・ブライネも同じようなポジションをやっているので、そういうところは意識しながら見たりしています。誰かのプレーをそんなに意識するタイプではないんですけど、持ち味的には確かに、シティで考えるならデ・ブライネのポジションではあるので参考にさせていただいている感じですね」と、インサイドハーフで戦ううえでのロールモデルにシティの大黒柱を挙げていた。
若い頃から将来を嘱望され、前線ならどこでもこなせる万能アタッカーとして台頭し、シティでインサイドハーフとして開花したデ・ブライネ。若くして欧州に渡り、ロンドン五輪代表としても活躍した華やかさがありながら、苦しんだ末にインサイドハーフとして新境地を開拓した大津。右足で強烈なクロスを蹴ることができる特徴も含め、2人の境遇は少し似ている。
1つ違いを挙げるとすれば、フィジカル面。デ・ブライネには欧州トップレベルで多くの試合をこなしながらもほとんど怪我をしないタフさがある。一方、大津は抜群の身体能力の高さを誇るものの、細かい負傷を繰り返したことが飛躍の妨げになってきたのは間違いない。