試行錯誤の時期は終わったか
CLでの2連勝に、ファブレ監督も「良いスタートを切った。勝ち点6で4得点無失点—それはまた重要だ」と満足している。だがスイス人指揮官は、同時に慎重な姿勢も崩さない。
「我々はモナコがチャンスを作り出したことを忘れることは許されない。1試合1試合考えなければならない」
それでも“最適解”を見つけ出す試行錯誤の時期は、終わったと言えるのではないか。モナコ戦の完勝劇は、ロイスがセカンドトップの[4-4-2]が、今季のドルトムントの基本布陣となったことを証明するのに十分な内容と結果だった。もちろんこのシステムで重要な役割を担うロイスが負傷離脱した時のため、または対戦相手によって戦い方を変えるために、プランBを準備しておく必要はあるだろう。しかし今後は、試合毎にメンバーを大幅に入れ替え、最適なシステムを探すことは無くなりそうである。
「1試合1試合」を通して、多少のローテーションはあれど、プレッシング、ゲーゲンプレッシングの徹底といった微調整の段階に入るのではないか。
ラーセンは、ファブレ監督に「楽しんで自分を信じてほしい」と声を掛けられたという。若きデンマーク人MFに限らず、ドルトムントそのものが、「楽しんで自分を信じて」戦えるサッカーを手に入れたようだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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