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柴崎岳、必然だった構想外寸前の現状。2戦連続ベンチ外…ヘタフェ徹底分析で見えるその理由

text by 舩木渉 photo by Getty Images

最前線やサイドはマッチせず。中盤は人材豊富で…

 彼らに共通するのは前線で基準点になれる高さとパワーを備え、ポストプレー役としても得点源としても計算できる実績があることだ。前線は昨季、柴崎が負傷離脱中に台頭して13得点を挙げた小兵FWアンヘルが軸で、パートナーをベテランのホルヘ・モリーナ、マタ、グアルディオラの3人で争う。スピードとパワーを組み合わせる形が基本線になれば、柴崎が割って入るのは難しい。

 ではサイドはどうか。1日のセルタ戦では右にフランシスコ・ポルティージョ、左にアマト・エヌディアイエが先発出場していた。おそらく今後もこの2人が軸で、そこにエイバルから獲得したイバン・アレホやオサスナへのレンタルから復帰したロベルト・イバニェスが絡んでくる流れになるだろう。

 この4人に共通しているのはスピードと縦への推進力。他に細かな特徴の違いこそあれ、ボルダラス監督がサイドアタッカーに求めるこれらの能力を柴崎が十分に持ち合わせていないのは周知の通りで、特徴とポジションがマッチしない。

 やはり今後、柴崎が改めてポジション獲得を狙うとすればセントラルMFになるだろうか。現段階では昨季から守備面で旺盛な闘争心を武器に存在感を発揮しているウルグアイ人MFマウロ・アランバリと、その相方には今夏新加入のセルビア代表MFネマニャ・マクシモビッチのコンビが定着しつつある。

 守備に特徴のあるアランバリ、そして展開力と高さを併せ持つマクシモビッチは、ある意味理想的なコンビとも言える。セビージャ戦やアトレティコ・マドリー戦ではセンターバックが本職のジェネを中盤で起用し、アランバリと組ませるプランも試された。

 サブにはベテランのマルケル・ベルガラや、セビージャ時代にスペインを経験済みで攻守にバランスのとれたセバスティアン・クリストフォロも控えるが、現在の組み合わせが重用される理由は攻守両面にある。

 守備面では地上戦をアランバリが、空中戦をマクシモビッチあるいはジェネが担当するよう役割分担が明確になり、攻撃に移れば後者からの展開で一気にゴール前まで運んでいける。そしてマクシモビッチは攻守両方のセットプレーにおいて重要な存在になれる。昨季にはなかったオプションだ。

 前線に長身のストライカーを増やしていることも考えると、ボルダラス監督は新たな得点源としてセットプレーの可能性も考えているはず。流れに関係なくゴールを奪えるだけに、しっかりと準備すればチームの大きな武器になる。

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