先制点の喜びも束の間・・・
浦和レッズ戦に向けても、柏レイソルの選手たちはよくコミュニケーションを取ってきたと言えるだろう。相手にボールを持たれることを踏まえてか、瀬川祐輔とオルンガの2トップは前からアグレッシブに追い回すだけでなく、バランスも意識していた。
数試合前までは、ボールにアプローチするFWに周りが連動しきれず全体が間延びしていたが、浦和戦ではコンパクトさを重視することで中央のエリアを閉じた。
それでいて、守備から攻撃に切り替わった時はギアを上げ敵陣へと走る。8分、江坂任の浮き球のパスに反応した瀬川がトラップからシュートを放っている。16分には相棒のオルンガが相手を背負いながら前を向き、左から中に持ち込んで右足を振り抜く。これはGK西川周作に弾かれたが、前線の個は『隙あらば』という姿勢を見せた。
そして35分、レイソルは喉から手が出るほどほしかった先制点を奪う。左サイドで相手をはめ込むと、オルンガが中央に送り、江坂がスルーパスを通す。センターバックの間を抜けた瀬川が持ち込み、猛然と駆け上がってきた江坂のラストパスをオルンガが合わせた。
負けられない一戦でリードを奪った。この時点で、前半はアディショナルタイムを含め残り10分弱となっていた。受け身にならず戦い、無失点でハーフタイムを迎えることが重要だった。しかし、レイソルはここから6分間で逆転を許すことになる。
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