移籍金58億円の神童がトップチームデビュー
リーグ戦の直接対決では4連続ドロー決着。今季開幕前に行われたUEFAスーパーカップではアトレティコ・マドリーが4-2でレアル・マドリーを退けたが、ラ・リーガでのマドリード・ダービーは毎回拮抗した展開となる。
現地時間29日の同カードも0-0のスコアレスドローだったが、「また引き分けか…」とならないエキサイティングなつばぜり合いこそマドリード・ダービーの醍醐味なのかもしれない。両者一歩も譲らない激闘だった。
そしてこの一戦で、注目の若手有望株がマドリーのトップチームの公式戦に初めて出場した。ヴィニシウス・ジュニオール。ブラジルのフラメンゴから4500万ユーロ(約58億円)という破格の移籍金で招き入れられた18歳の“神童”が、そのベールを脱いだのである。
母国ブラジルでは16歳10ヶ月でプロデビューを果たし「新たなネイマール」など数々の称号を授かってきた才能は、この夏のプレシーズンキャンプからマドリーのトップチームに帯同していた。多くのビッグクラブが参加するインターナショナルチャンピオンズカップではマンチェスター・ユナイテッド戦や、ユベントス戦、ミラン戦に出場。ところが今季はBチームにあたるレアル・マドリー・カスティージャに登録されることとなった。
クラブからの「若い才能が高額な移籍金のプレッシャーに晒されないように」という配慮があってのカスティージャ登録。それでもフレン・ロペテギ監督はヴィニシウスをトップチームの練習に参加させながら、「その時がくれば使う」と適切な時期を見極めてリーグ戦やチャンピオンズリーグなどの公式戦で起用する方針を明らかにしていた。
トップチームでの公式戦初ベンチ入りはリーグ戦開幕前のUEFAスーパーカップで、先月19日のラ・リーガ開幕戦ヘタフェ戦でもベンチに座った。その後はしばらくカスティージャを主戦場に試合経験を積んだ。そして9月になって26日のラ・リーガ第6節セビージャ戦の遠征メンバーに入り、満を持して今回のアトレティコとのダービーマッチ出場に至る。