完成近づく新生ドルトムントの戦い方
“ロイス・システム”が完成しつつある。
9月29日に行われたブンデスリーガ第6節で、レヴァークーゼンを相手に逆転劇を演じたボルシア・ドルトムント。まるで冴えなかった前半に2ゴールを奪われながら、それで終わらなかった。試合後、ルシアン・ファブレ監督は「常に自分たち自身で信じる必要がある。1つのゴールが全てを変えるんだ」と語った。
65分、右サイドバックのアクラフ・ハキミがファーサイド目掛けて入れたクロスを、マルコ・ロイスがダイレクトでシュート。GKルーカス・フラデツキーが左手1本で弾いたボールを、ヤコブ・ブルン・ラーセンが押し込んで1点を返した。
63分にパコ・アルカセルが投入されて、ようやく息を吹き返したドルトムント。もっとも、試合後にマルコ・ロイスは「僕たちは全く良いウォーミングアップをこなすことができなかった」と語っている。
「僕たちがそんな前半をプレーしたのは、ほとんどロジカルな結果だった」
まるでエンジンがかからなかった前半を折り返して、乳白色の夕暮れにバイ・アレーナが包まれる頃——。スタジアムのライトがピッチを真昼のように浮かび上がらせると、ドルトムントは3日前にニュルンベルクを葬ったダイナミズムを取り戻し始めた。ただ勝利だけに焦がれて、スピードスターが絶え間なく躍動する。69分、投入されたばかりのジェイドン・サンチョとのコンビネーションで右から崩し、ロイスが同点弾を叩き込む。