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“不思議”だったプレミア頂上決戦。チェルシーとリバプール、入れ替わったそれぞれの強み

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

終盤に待っていたドラマ

 前半開始からボールをキープしたのはリバプールだった。テンポの速いパス回しで相手DFをかわしていき、前線の3人へ素早い楔のパスを入れた。ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー、サディオ・マネの3人はボールを引き出そうと、オフ・ザ・ボール時でも動きを止めることはなかった。相手CBとSBの間にうまく入り込み、パスを呼び込むと、果敢にゴールへ向かった。前半4分、10分とサラーが立て続けにシュートを放つなど、アウェイチームは試合開始早々から圧力をかけたのである。

 守備時には、チェルシーの崩しの核であるジョルジーニョへのパスコースをフィルミーノが限定した。これによってCBからパスを引き出すのが難しくなったチェルシーはサイドへ展開して崩しにかかったが、リバプールのハイプレスに苦しんだ。

 立ち上がりはリバプールペースで進んだものの、徐々にチェルシーがリズムを取り戻してきた。そして25分、マテオ・コバチッチのスルーパスに反応したエデン・アザールが左足でゴールへ流し込み、ホームチームが先制ゴールを奪ったのである。リーグ戦6試合5ゴール2アシストと好調のエースの一振りで流れは一気にチェルシーへ押し寄せた。

 追いつきたいリバプールは、後半に入ってもなかなかチェルシーDFを攻略できずに苦しんだ。70分に途中出場のジェルダン・シャキリに決定機が訪れるが、決め切れず。気づけば89分を経過していた。

 しかし、リバプールに今季リーグ戦初黒星が付くかに思われたその時、途中出場のダニエル・スタリッジがペナルティエリア左手前からシュートを放つと、これがゴール右上に突き刺さり、土壇場でアウェイチームが同点に追いついた。

 試合はこのまま終了し、上位対決は勝ち点1を分け合う結果となった。

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