開幕から精彩を欠いていたディバラだが…
12分、最後尾のレオナルド・ボヌッチから前線にミドルパスが入る。これに反応して前線に走ったのはディバラと、ロナウドを追い越して前線に走った中盤のブレーズ・マテュイディだ。ディバラはDF2人に体を寄せられながら背後にボールを流し、そこにフリーで走りこんだマテュイディがシュート。シュートはGKに弾かれるが、今度はディバラがこぼれ球に反応し、右足ジャンピングボレーで合わせてシュートを決めた。
2点目も、彼らの連係で奪った。16分、左サイドに流れていたディバラがクロス。これをファーで待ち構えていたロナウドが、右足ダイレクトで中央に折り返した。ボールはゴール前を素通りするものの、前線に飛び出したマテュイディが左サイドで拾う。豪快なシュートが決まり、差は2点となった。
その後もディバラは、積極的にボールを触ってチャンスメイク。ロナウドとも積極的にパスを交換し、臨機応変にポジションを変えて前線を活性化させた。今シーズンは開幕からやや精彩を欠いていたが、そのプレースタイルはロナウドと共存可能ということが遅ればせながら示された。
「サッカーのプレーとは仲間を知ることである。前節から悪くなかったし、パウロはそういうところが向上したのだ」。試合後、アッレグリ監督はそう語った。
二つ目のポイントは、ユーベがコレクティブなパスサッカーを90分間展開したということだ。メンバーを入れ替え、システムを変えても、全体の質に影響しないばかりか攻撃の質も高まる。ボローニャが次節ウディネーゼ戦のために、あえてこの試合で主力を若干名温存したことを差し引いても、やはり見事なものであった。
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